公益財団法人石井十次顕彰会(理事長・増田秀文)は、第34回石井十次賞に東京都清瀬市の社会福祉法人子供の家(代表:江川修己理事長)を選定。高鍋町のたかしんホールで2025年4月15日(火)に贈呈式を行いました。
社会福祉法人子供の家は1949(昭和24)年、戦災孤児を預かったのが始まりで、1958(同33)年に社会福祉法人化されました。
画期的だったのは1977(同52)年、職員を住み込みではなく通勤交代制にしたうえ、買い物や調理、宿直を交代で担当することにし、いち早く少人数グループで養護を始めたこと。さらに入所期間が22歳まで延びたことを受け、積極的に活用していることです。
その入所期間はかつて18歳までだったことから、社会に適応できなくても子どもたちは退所を余儀なくされていました。それに対処するため1988(昭和63)年に自立援助ホーム・あすなろ荘を敷地内に開設。養護しながら入所者を自立へと導いています。
2011(平成23)年にはアフターケア相談所「ゆずりは」を開設し、あすなろ荘を退所後、あるいはあすなろ荘に出会えなかった子どもたちを支援。現在はアフターケアのみならず、心に傷を負って大人になった人をはじめ、生きづらさを抱えた多くの人に寄り添う活動を行っています。
石井十次顕彰会は、これら3つの事業を大きな柱にした活動に対し、児童福祉事業の先駆者・石井十次と志を同じくすると敬意を表し、石井十次賞の贈呈を決定しました。
江川理事長は「児童福祉というフロンティアに力を尽くされた石井十次さんの賞をいただき感激しています。過去の受賞者には自立援助関係の大先輩方も多く、後発である私どももやっと肩を並べることができました」とよろこびを語っています。