公益財団法人石井十次顕彰会(理事長・萱嶋稔)は第32回石井十次賞に大阪児童福祉事業協会アフターケア事業部を選定。高鍋町のたかしんホール(高鍋町中央公民館)で20203年4月13日(木)贈呈式をおこないました。なお、贈呈式はコロナ禍の影響で中止が続き、2年ぶりの開催となりました。
社会福祉法人大阪児童福祉事業協会(伊山喜二理事長=写真)は1963(昭和38)年、大阪市と協議のうえ設立準備が始まり、翌年、法人の認可を受けて第一種社会福祉事業の宿泊施設・清心寮と第二種同事業の施設退所児童の相談機関を備えたアフターケア事業部を設置。入所児童・学齢生徒が15歳の義務教育終了後に施設を離れ、住む場所や仕事、保証人もなく独り立ちを求められることに対し、必要な財源も専門的人材もないまま、精神的、経済的、社会的な支援を行ってきました。
また、2001(平成13)年から十分な訓練がなされず社会での自立を余儀なくされることに対し、高校教諭や弁護士、アナウンサー、薬剤師、デパートの美容部員らによる講習会「ソーシャル・スキル・トレーニング」を開催。国事業のモデルとして取り上げられ、社会的養護自立支援事業の成立に寄与しました。
今日、こども家庭庁の設置、2024年には改正児童福祉法の施行が予定され、施設を一度離れた児童・学齢生徒の支援が叫ばれるなか、同事業部の取り組みは、それらの制度設計にも影響を与えた先駆的な取り組みといえます。
石井十次顕彰会は、これらの活動に対し石井十次賞の求める開拓性、創意工夫、持続性、ニーズ対応への実践力が発揮されていると評価。石井十次賞の贈呈を決定しました。
伊山理事長は「福祉に携わる者は必ず石井十次先生のことを学びます。そんな偉大な方の賞をいただき、大変光栄に思っています」とよろこびを語っています。