公益財団法人石井十次顕彰会(理事長・萱嶋稔)は、第29回石井十次賞に女優でユニセフ親善大使の黒柳徹子さんを選定しました。
黒柳徹子さんは東京都港区乃木坂生まれ。小学校時代を目黒区にあったトモエ学園で過ごし、香蘭女学校を経て東京音楽大学へ進学。卒業後はNHK放送劇団に入団しNHK専属テレビ女優第1号として活躍しました。特にトモエ学園園長・小林宗作氏のポリオを患った子どもたちとの分け隔てない教育に影響を受け、1981年に生まれた戦後の大ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』執筆につながりました。
この本の印税で同年、プロのろう者俳優を養成する社会福祉法人トット基金を設立。一方、本は当時のユニセフ事務局長、ジェームス・グラント氏の心を動かし、この人ほど子どもへの愛があつい人はいないと同84年、アジアで初めてユニセフの親善大使に選ばれました。以来、アジア・アフリカなど39か国を訪問し、子どもたちが置かれた窮状をテレビなど各種メディアを通じて伝えてきました。これらの報道により黒柳さんのもとには累計で61億円を超える募金(2020年2月現在)が集まり、子どもたちを救うために使われています。
石井十次顕彰会は、こうした一連の活動に敬意を表し、石井十次賞贈呈を決定しました。
黒柳さんは「石井十次さんという素晴らしい方がいらっしゃることを今まで存じ上げず、申し訳なく思っております。石井十次さんは孤児を預かり育てるだけではなく孤児院を日本で初めて作り、教育もなさった方。そういう方が広く知られていないことを残念に思っています。今回の受賞をきっかけに、もっと多くの方に知っていただければこれ以上のよろこびはありません。このたびの贈呈、心から感謝しております。ありがとうございました」と語っています。
黒柳さんのご紹介と黒柳さんのよろこびの声をビデオとして制作し(10:05)、YouTubeで公開しています。どうぞ、ご覧ください。